学ぶ・進路

2019.11.21

下積み時代を経て、様々なジャンルで活躍中！声優・中島ヨシキさんインタビュー

苦労した下積みを経て、ファンからの応援を糧に活躍中

ここからはお仕事について聞いていきたいと思います。声優のお仕事を始めて一番嬉しかったこと、印象に残っているエピソードはありますか？

中島ヨシキさん

一応人前に出る仕事なので、顔も知らない人達が僕のことを知ってくれていて、応援してくれるのはすごいことだなと思います。

中島ヨシキさん

僕自身アーティストや俳優さんの熱心なファンになったことがないので、応援してもらう立場になった時に「すごいパワーだな、熱量だな」と感じることが多いです。こういう仕事じゃないと味わえないやりがいのひとつだと思います。

逆にお仕事で苦労したエピソードはなにかありますか？

中島ヨシキさん

とにかくお金が無かったです。最初はお客さんはもちろん、スタッフさんやひいては自社のマネージャーに知ってもらわないといけない時期で、その下積み期間は普通に貧乏でした。とにかく早くまともにご飯を食べられるようになろう、とは思っていましたね。一円も入ってこない月もあったので、どうやって生きてたんだろうと今になって思います。

中島ヨシキさん

ただそれはできることならしなくていい苦労だなと。学生時代にバイトして貯金してちょっとでも貯えがあったらよかった話なので。

下積み時代はオーディションを受けても受からない、みたいな状態だったんですか？

中島ヨシキさん

そもそもオーディションは受からないものだと思っています。受かったらすごいよね、っていう。
じゃあオーディションに受からない間はどうしようとか、仕事が無い日の方が多かったので、その間どう過ごそうか考えていました。バイトをしたり、本を読んだり、映画を観たり色々選択肢はありますが、やっていることは全部身になると思ってやらないと腐っていってしまうな、という時期でしたね。

初めて受かったオーディション、初めて出演した作品とかって今でも覚えていますか？

中島ヨシキさん

一番最初にやったアニメのアフレコは鮮明に覚えています。今まで観ていた雑誌やアニメから聞こえてくる声の人が同じ空間にいるというのは不思議な気分でした。

声優としての実力があってはじめてキラキラしたステージに立てる

声優というお仕事のやりがいや魅力はどのようなところでしょう？

中島ヨシキさん

今おそらく大多数の声優志望の方たちが魅力に感じているのは、「キラキラしていて人前に出て大きなステージで綺麗な衣装を着て歌って踊ってキャラクターになりきっている姿」なんじゃないかと思うんです。

中島ヨシキさん

でも声を使って人の性格から骨格まで表現できる実力がある人たちが声優になっていて、そういうのが評価してもらえているからこそステージがあると思うので、声優を目指している人はぜひお芝居の部分に目を向けて欲しいなと。そこにたくさんの魅力が詰まっているし、難しい、できないと感じることもひとつのやりがいだと思うので。
自分の声ひとつで人間を表現しきるというのは映像の俳優さんとかとまたちょっと違った声優ならではの魅力だと思います。

今の声優さんって求められるものが多い印象があります。

中島ヨシキさん

ノンジャンルというか、何でもできる人、何でもやりますよという人がやっぱり重宝してもらえるとは思います。
ただ僕は演技が好きでお芝居が好きで声優になっているので、そこは曲げずにやりたいですね。あくまでその延長線上に歌やダンス、ラジオ、映像番組があるようにしていきたいです。

尊敬する声優さんはいらっしゃいますか？

中島ヨシキさん

きっかけでいえば先ほどもお話しした柿原さんがきっかけではありますね。今柿原さんと一緒にお仕事させていただく機会があるんですが、身近に感じれば感じるほどステキな人というか、素晴らしい方だなと思います。

中島ヨシキさん

そういう意味でいうと自分以外のお仕事をしている俳優さんはすべからく尊敬できる存在だなと思います。自分は自分の考えたお芝居しかできないので、自分では想像すらできなかったことをやられている方を見ると「そういうのもあるんだな」という。
100人いたら100通りのお芝居があると思うんですよ。周りの人は皆先生だし、皆プロフェッショナルなので。実際に現場で学ぶことはとても多くて、自分以外の俳優さんは皆すごいなと思いますね。

同じ年代の声優さんも結構多いと思うんですが、そういった方々の演技なりがモチベーションアップに繋がることも多いんですか？

中島ヨシキさん

そうですね。「負けたくないな」とか、オーディションで同じ役を争った時に「絶対勝ってやる」というよりかは、「アイツと一緒にマイクの前でお芝居したいな」とかの方が近いです。同年代で同業の友人とは、ライバルというより切磋琢磨し合える仲間意識が湧きますね。

中島ヨシキさん

もちろん同じオーディションで同じ役でぶつかることも当然あるんですけど、どちらかが受かることもあればどちらかが落ちることもあるので。なので良い関係でありたいですね。

声優志望の10代はとにかく誰よりも早く「垢抜け」て！

声優として活躍するために、10代のうちに力を入れておいた方がいいことはありますか？

中島ヨシキさん

「誰よりも早く垢抜ける」ということでしょうか。
垢抜けるという言葉が正しいのかどうかは分かりませんが、例えばこのサイトを見ている人たちの中で、仮に特に意識せずただ矯正の為にメガネをかけている人がいたら、一度コンタクトにチャレンジするのもいいかもしれないし、何も考えずに服を選んで着ているのだとしたらとりあえず一回それは止めてみてほしいなと。

中島ヨシキさん

やっぱり人前に立つことが増えていっている現状で、第一印象で綺麗な方が絶対武器になると思います。
これは声優に限らずどんな仕事でもそうだと思うんですけど、くたびれたワイシャツにシワの付いた背広を着ている人より、パリッとした姿で綺麗な革靴を履いている人の方が仕事ができそうな感じがするじゃないですか。声優だから見た目に気を配らなくていいやというのは絶対に思ってほしくないですね、特に今この時代は。

中島ヨシキさん

特に男性はファッションとかに興味を持ちづらいと思うんですけど、「この服かっこいいな」と思ったらちょっと頑張って買ってみるとか。その服を着るときは気合が入るような、モチベーションになると思いますし、女性はプロのメイクさんが付いてやってくれることもあるのですが、自メイクの現場もあるので、メイクは勉強しておいた方がいいんじゃないかと。
実際に同業者の女性の方たちもメイクさんに色々アイテムを聞いたりしているのを小耳にはさみますし、みんな見えないところで努力しているんじゃないかと思いますね。

中島さんの中で、気合を入れたいときに身に着ける物や取り組むこととかってありますか？

中島ヨシキさん

僕はそもそも服が好きで趣味と実益を兼ねているので、個人的にはいい趣味に巡り合えたなと。あとはちょっとした食事制限とか、ジムにも行ってますし、自己満足なんですけど、人に見られたときに「いいな」と思ってもらえる努力はしているつもりです。

声優を目指している人たちって、お芝居を頑張ろうと考える方が多いと思うんですが、同じくらい身なりも大切になってくるんですね。

中島ヨシキさん

お芝居はできて当たり前なので、そこにプラスアルファで自分にどれだけ足してあげられるかだと思います。

中島ヨシキさん

お芝居って結局好き嫌いというか、この人の声好きだなとか、この人のお芝居苦手だなとかそれぞれあるものだと思うんです。でもお芝居の基礎はみんなできて当たり前のものなので、それプラス人としての魅力をどれだけ付け加えてあげれるかが大切なんじゃないかなと。

中島ヨシキさん

見た目って努力でかなり変わってくるじゃないですか。10代のうちに自分がもっと早く気付けてたらなと思うのはファッションの部分なので、個人的にすごく大事な要素なんじゃないかと思いますね。

将来の目標や取り組んでみたいお仕事はありますか？

中島ヨシキさん

ジャンルに囚われず色々なことができる人になりたいなと思っていて、それがちょっとずつ叶っている最中なので、とりあえず10年後も今のペースでお仕事していたいですね。

中島ヨシキさん

有難いことに忙しくさせていただいているんですが、それを気取らないような人になりたいです。「最近忙しいみたいだね」と言われたときに「そんなことないですよ」ってあまり言いたくないんですよ。そこに謙虚さがあってもしょうがないというか、頂いている仕事がたくさんあるのは事実なので、「有難いことに忙しくさせてもらってます」って言えるぐらいは求められていたいと思いますね。

これからも様々な場面での活躍、楽しみにしております。本日はありがとうございました。