新しい競技として注目を浴び、2019年からは国体種目にもなっている「eスポーツ」。
ゲームに関わることが仕事になる夢のような業界ですが、どのくらいの収入を得られるかは職種やゲームタイトル、国の事情によってかなり変わってくるようです。
そこで、実際に活躍しているeスポーツ選手や職種の情報をもとに、年収やお給料事情を紹介しましょう。
eスポーツ業界の職種ごとの推定年収一覧
eスポーツに携わる仕事といえばプロ選手が有名ですが、選手を支える職種やゲーム自体の開発に関わるなど、様々な職種があります。
まずはeスポーツ関連の仕事の中でも代表的な3つの職種の年収をざっと計算してみました。
職種 | 推定年収 |
---|---|
プロ選手 | 400~1億円以上 |
インストラクター | 300~500万円 |
ゲームプログラマー | 400~1000万円 |
年収トップはやっぱりプロ選手!
eスポーツ関連のお仕事では、やはり高額の賞金をもらえるプロ選手が年収の上限も高いです。サラリーマンが一生かけて稼ぐお金を稼げる点では、野球やサッカーといったメジャースポーツに引けを取りませんね!
とはいえ、プロ業界は戦って勝者が全てを手に入れ、負けてしまえば賞金ももらえない弱肉強食の世界。競い合うプレイヤーが世界中にいると思うと生易しい世界ではないことが分かります。
続いては、職種ごとの仕事内容や仕事事情について個別に詳しくお話ししましょう。
年収にバラつきがあるが稼ぎが大きい「プロ選手」の年収
プロ選手といえばeスポーツ界のヒーロー!世界大会に出る選手は、一度の優勝で1000万円以上の賞金がもらえることもあるんだとか。例えば日本で一番稼いでいるプロゲーマー、ふぇぐ選手は2018年に開催されたシャドウバースの大会に優勝し100万ドル(1.1億円)を獲得しています。
大会の賞金以外にも、企業のeスポーツチームに所属して援助金をもらえたり、イベントやメディア出演、著書出版したり、実力のある選手は活動の幅が広がり収入も多くなります。
例えば日本ではじめてプロ選手になった梅原大吾さんはプロゲーマーになるまでの人生と勝負論を記した著書『勝ち続ける意志力』を出版。『勝ち続ける意志力』はAmazonのビジネス部門で長期間ランキング上位に君臨し、世界中の言語に翻訳されるなど異例の大ヒットになりました。
夢があるけど厳しい面もあるプロ選手
このように、活躍できれば年収はもちろん社会的な評価も高まるプロ選手ですが、徹底した実力主義の世界であることも事実。基本的に個人のプレーが評価されるため、勝てない選手は賞金ももらえないだけでなくチーム契約も打ち切られてしまいます。
また、eスポーツではゲームの競技人口が賞金額を左右します。
プレイヤー数が少ないゲームは大会の規模自体が小さいので賞金も少なく、マイナータイトルの世界一が、メジャータイトルの新人より年収が低いことも……。中にはサラリーマンとして働く傍ら、週末に大会に出場する「兼業プロ選手」もいたりします。
現在の日本で「プロゲーマー」という場合、「日本eスポーツ連盟」に認定・登録された選手のことを指します。プロとして認定されるほどになれば、スポンサーから何らかの援助も得られ、最低限の生活資金(年間400万円前後)を貰うことも確保できます。
プロ選手が出る大会に個人で出場することも可能ですが、企業にお金をもらってゲーム三昧のプロの方が圧倒的に有利なのは言うまでもありません。ゲーム一筋で生きていきたいならプロ選手の認定は必須といえるでしょう。
ニーズが増えてきた「インストラクター」の年収
インストラクターの仕事は大きく分けて2つあります。
1つ目は大会で活躍するプレイヤーの練習を手伝うインストラクター。スポーツのインストラクターというと、こちらを思い浮かべる方が多いかと思います。
2つ目はプログラマー専攻の学生にプログラミングを指導するインストラクター。ちょっと意外ですが、eスポーツ関連のインストラクターという意味では間違いありません。
インストラクターとして働く場合、専門学校に講師として教壇に立つか個人で活動するかのどちらかになります。学校に雇ってもらうならば新卒で年収300万、経験者で500万円ほどが相場です。
インストラクターも将来性あり!
今のところインストラクターの仕事はあまり高給とはいえませんが、eスポーツの人気化に伴い年収が上がる可能性も十分にあります。
体を直接動かさないeスポーツですが、効率のいい練習法やコンディショニングの重要性は普通のスポーツと何ら変わりありません。
eスポーツの競技レベルが上がれば、世界で活躍するゲーマーをサポートするインストラクターのニーズも高まり、さらなるキャリアアップも目指せるでしょう。
作る側として活躍できる「ゲームプログラマー」の年収
eスポーツが盛り上がるには魅せるプレーをする選手も必要ですが、それ以上に面白いゲームを作ることが不可欠です。楽しくてたくさんのプレイヤーが生まれるゲームを作るのが、ゲームプログラマーをはじめとしたゲーム開発者です。
作る人の腕によってゲームの面白さが変わり、売れ行き次第で年収が上がるという点ではプロ選手に次いで実力が反映される職種といえます。
ゲーム会社の最大手、任天堂は大学卒新卒で月給23万、ボーナスも加えれば年収300万円はカタイでしょう。社員全体の平均年収は903万以上なので、ベテランプログラマーともなると年収1000万円以上も十分ありえます。
最近はソーシャルゲームのプログラマーが人気
以前はゲームといえば専用のゲーム機を使うテレビゲームやビデオゲームが主流でしたが、今はスマホやパソコンといった機器で遊べるゲームが増えています。
この変化に伴って、通信機能を活かして遊ぶ「ソーシャルゲーム」がシェアを広げています。
同じゲームプログラマーでも、流行りのソーシャルゲームの開発に携わる人の方が平均年収も50~100万円ほど高いようです。
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