その労働時間は大丈夫?ブラックバイトを防ぐ高校生の基礎知識!

高校生になってワクワクしながらスタートさせたバイト生活。働くことは思いのほか大変で、想像より苦労している人も多いのではないでしょうか。
「もっと簡単な仕事かと思った……」「スタッフが少なくて忙しい!」など、実際アルバイトを始めてみないと分からないことは沢山ありますよね。

しかし、「ま、仕方ないか」と全てを受け入れてしまうのは危険です。ブラック企業がはびこるこの世の中、ブラックなアルバイトだってたくさんあります。あなたが不満に思っているバイト先からの対応が、実は法律に違反していることだってあり得るのです。

労働者は法に守られています。 雇う側も、その法をきちんと守って労働者を働かせなくてはなりません。高校生に法律の話はやや難しいかもしれませんが、だからと言って「どうせ法律なんて知らないだろうから」と、雇い主になめられてしまっては大変です!

今回は働く上での守るべき法律を、わかりやすくご紹介していきます。「これってアリなの?」と高校生によくある疑問も、法的にOKかNGかしっかりジャッジしますよ! バイト先の扱いに不満のある方は、ぜひチェックしてみてください。

時間にまつわる基本のキ!守るべき労働時間とは?

時計 タイムカード

労働時間については「労働基準法」という法で定められています。この法を働く側も雇う側も守らなくてはなりません。
全てを覚えるのは難しいので、高校生の皆さんにとって重要な項目をピックアップしていきます!

18歳未満は労働時間に制限アリ!

18歳未満は「年少者」と言い、成人よりも労働時間が制限されています。これは、年少者が精神的、身体的に成熟していないことによるものです。

まず基本となる労働時間ですが、年少者は原則1日8時間以内・1週間に40時間以内までと決まっています。1日8時間を超えての残業もNGです。(労働基準法第60条による)

気を付けてほしいのは土日の勤務です。平日は学校が終わってからの勤務なので、平均して3,4時間、最高でも5時間くらいの労働量かと思いますが、土日はもっと時間がありますよね。稼ぎたいからといって、8時間を超えて働き詰めることのないようにしてください。

また、年少者は労働の時間帯にも決まりがあります。

18歳未満は夜22時〜朝5時の深夜帯に働くことは禁止です。(労働基準法第61条による)深夜は時給が上がるお店もあるでしょうが、高校生は働いてはいけない時間なので注意しましょう。

ただし、シフトなどの交替制勤務の場合、例外的に16歳以上の男子に限って、深夜労働が許可される場合があります。

休憩時間は必須!

仕事中に休憩を取ることも法律で義務付けられています。これは年少者に限らず全ての労働者に共通する事項です。少なくとも6時間以上の勤務で45分、8時間以上の勤務で1時間は休憩時間を取らなくてはなりません。(労働基準法第34条による)

例えば、飲食店やマクドナルドなどのファーストフード店、コンビニチェーン店などでは混雑時間帯が決まってきます。混雑時に人手を確保しつつ、スタッフ全員に休憩を回さなくてはいけないので店側も大変ですが、忙しいからといってスタッフに休憩させないのは法律違反なのです。

また、休憩中なのに電話対応などを任されてしまった場合、その時間は労働時間だとみなされる場合もあります。休む時はしっかり休まないと業務に支障も出かねないので、休憩時間内の仕事は断るようにしてください。

不満爆発! 高校生がバイト先に物申したいこととは!

男性 指差し

働いていくうちに、バイト先に対して不満が出てくる人は少なくありません。労働するなら多少の我慢は必要になりますが、あまりにも理不尽な対応まで受け入れる必要はありません。

高校生の皆さんがよく不満に思うのは「時給」と「シフト」に関することが多いのではないでしょうか。時給やシフトに関して、その扱いは法的NGなのかセーフなのか、徹底的に解説していきます!

1. 周りのスタッフより時給が低い!

職場によって、高校生は成人スタッフよりも時給設定が低いことがあります。求人には時給900円と書いてあったのに、実際高校生は850円だった、なんてことは珍しくないでしょう。これについては、働き始める前にきちんと時給の説明があれば、法律違反ではありません。

18歳未満の高校生には労働制限があり、また、学生は成人に比べてこなせる業務内容が少なくなることもあるので、時給が低めに設定されることがあるのです。

しかし、設定された時給が最低賃金を下回っているのは違反です。(最低賃金法第4条による)自分の時給が地域の最低賃金より下回っていた場合、仮に訴えても雇用主は文句が言えません。給料に不満があるのなら、まずは自分の地域の最低賃金を調べてみると良いでしょう。

2. 勝手にシフトが変わってる!

高校生の皆さんが就くバイト先は、多くがシフト制を導入しているかと思います。シフト制ならテスト期間に休みをもらえたり、予定のある日はパスして勤務希望を出せたりするので、高校生には便利ですよね。

しかし、希望したシフトが勝手に変更されていた! という経験はありませんか?
多くのスタッフの希望をすり合わせなくてはならないので、雇用側も希望シフトを変更してほしい場合は出てきます。かと言って、自分にも予定があるので、勝手に変更されては困ってしまいますよね。

この場合、一度決定して知らされたシフトに関して、あなたの同意なく勝手に変更されていて出勤を命じられたのなら、それは法律違反の可能性があります。
労働契約を変更する際は、使用者(雇用側)と労働者の「合意」が必ず必要なのです。(労働契約法による)

「シフトを決定すること=労働契約」と取れるため、相手の合意が無い一方的なシフト変更は禁止です。トラブルを避けるため、シフトの決定前に「希望シフトを変更してくれないか?」などと雇用側から相談してもらえるように言ってみましょう。

バイト前にチェックしておきたい大切なこととは?
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