もうすぐ夏休みが明け2学期が始まりますが、お休みの間に古文の勉強を頑張った!という人はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
「古文って、日本の古い言葉だから結局日本語だし、実際楽な科目でしょ?」と中には楽観的な考えを持つ高校生もいるかと思います。しかし日本語と一口に言っても、今の言葉と古文で使われる言葉では違う意味を持つものもあり、油断するには危ない科目です。
例えば「行う」が「仏道修行する」だったり「驚く」が「眼を覚ます」だったり。今の感覚では予想の付きにくい言葉もたくさんあります。それゆえ、英単語のように暗記がとっても重要。
今回は結構曲者な古文単語の、簡単ですぐ使える画期的な覚え方をご紹介します!
漢字を意識しよう!
さて、突然ですが皆さんは次の問題の空欄に入る言葉が分かりますか?
何を差し上げようか。「 」物はきっとよくないだろう。
①こまごました ② 立派すぎる ③ 実用的な ④ ありふれた
答えは……↓
答えは③。「まめまめし」とは「実用的なこと」や「誠実なこと」を指すのですが、これを答えられる学生は少ないです。高校3年生でも、この問題の正解率は高くないです。そもそも「まめまめし」なんて現代では使わない言葉なので、初見で分からないのは無理もないでしょう。
しかし、現代で使わない「まめまめし」という古文単語、「漢字」を意識すると一発で覚えられるようになるのです。
実は「まめまめし」は「忠実忠実し」と書きます。忠実という言葉は今でもよく使われていますよね。「真面目、誠実」などの意味で使われることが多い単語です。細かく気配りのできる性格を表す「マメな人」の「マメ」も、実は漢字で書くと「忠実」。
つまりは、「まめまめし」も「真面目・誠実」という意味から派生して、「実直で実用的だ」という意味だと解釈できるのです。
これを意識すれば、古典単語を10倍覚えやすくなります。
また、このテクニックを使うと、「忠実」のイメージから他の「まめ」を使う古文単語も同時に覚えることができます。
・まめ → 誠実
・まめやかなり → まじめだ
・まめびと → まじめなひと
・まめごと → 実務的なこと
・まめだつ → まじめにふるまう、本気になる
・まめまめし → 実用的だ・誠実だ
など、合計6つの古典単語を同時に覚えることができるわけです。
いかがでしょうか?一つ一つ覚えているのが馬鹿らしくなってきますよね?
勘違いしがちな単語も漢字を覚えれば楽々暗記!
続いて、この問題は分かりますか?
春の夜の闇は「 」。梅の花の色は闇が隠して見えないが、香りは隠れるものか、いや隠れはしない。
①つまらない ② 風情がある ③ 優美だ ④ わけが分からない
答えは……↓
これの答えは④。「あやなし」は「わけが分からない」という意味を持っています。なかなか連想しにくい言葉ゆえ「なんでそんな意味なんだ!」と怒る人も多いのではないでしょうか?事実僕も学生の時には怒っていました。
しかし、これも「漢字」を意識すると分かりやすいんです。
「あや」を漢字でどう書くのかというと、実は「文」と書きます。
「文」という漢字は、「文章」や「文脈」という熟語で使われていますよね。「あやなし」とはそれが無いということで、「文脈が無い」ということだと解釈することができます。
現代の日本語でも「脈絡のない行動」という言葉を「わけが分からない行動」という意味で使いますよね?これを意識すれば、「あやなし=文(脈)が無い=わけが分からない」と覚えることができます。
そしてこちらも最初に紹介した「まめまめしい」と同じように、「文」のイメージから「あや」を使った言葉を連想してまとめて覚えることが可能です。
・あやなし → 道理が立たない わけが分からない むなしい つまらない とるにたらない
・あやし → 不思議だ 身分が低い
・あやにくなり → 意地が悪い あいにくだ
・あやめ → 道理
さて、「あやめ」だけは説明が必要でしょう。「あやめ」は「文脈」というのを「ものの道理」と解釈しているのです。
ここまでお読みいただいた方なら、次の問題も解けると思います。
帝は「 」とお思いになり。
①望ましい ② 素晴らしい ③並一通りの ④ ありきたりな
答えは……↓
答えは②です。「なのめ」は、「斜め」という漢字で表すことができます。「斜め」というのは今でも残っている単語です。つまり「なのめ」というのは、「斜めである」=「まっすぐではない(普通ではない)」と解釈できるのです。なので「いいかげん」という意味と「格別」という意味を持つわけです。だから、「素晴らしい」が正解になるのです。
・なのめ → いいかげんだ 格別だ
・なのめならず → いいかげんだ 格別だ
また、ちょっとした小ネタですが、古典単語は「否定語が付いている言葉」と「否定語が付いていない言葉」で同じ意味になることがあります。だから、「なのめ」は「なのめならず」とほぼ同じ意味になるわけです。「おぼろけなり」と「おぼろけならず」なども同じなので、覚えておいてください。
著者・書籍紹介
西岡 壱誠(にしおか いっせい)
偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」、そして「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。東京大学で45年続く書評誌「ひろば」の編集長を務める。講談社『モーニング』で連載中の「ドラゴン桜2」に情報を提供する東大生団体「東龍門」リーダーを務める。また全国4つの高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に勉強法を教えており、静岡県沼津市にある誠恵高校では理事長付学習特別顧問を務める。19万部のベストセラーとなった『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)など著書多数。
書籍紹介
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