世界的講演会であるTED Talksでは、国籍やジャンルを問わずさまざまな分野のスペシャリストたちが情報を発信するスピーチを行っています。
こんな風に説明すると、「自分は頭が良くないから難しい話はちょっと……」「面白くなさそう」などネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、TEDでは役立つ情報が専門家によって面白く、わかりやすくプレゼンされているんです!
今回の記事では、ストレスとの付き合い方や嘘の見抜き方など、人生に役立つスピーチを厳選して3つ紹介します。スピーチは英語ですが、すべてYouTubeで日本語字幕を表示させることができます。
今悩みを抱えている人や知識を得たい人は必見ですよ!
「ストレスと友達になる方法」 ケリー・マクゴニガル
最初にご紹介するのは、健康心理学者のケリー・マクゴニガル氏による「ストレスと友達になる方法」というスピーチ。
ストレスを悪者にするのではなく友達になるという斬新な内容ですが、その概要を簡単にご紹介します。
ストレスよりも「ストレスの捉え方」に問題があった!
従来の調査では、ストレスがかかりすぎると病気などのリスクが高まって死亡する確率が上がるという結果が出ていました。
しかし、ケリー氏は必ずしもそうではないといいます。
研究では、日常的にストレスを感じている人のうち「ストレスが人体に害を及ぼすと思う」と答えた人たちが、「ストレスは人体に害を及ぼさないと思う」と答えた人よりも死亡リスクが高くなったのだそう。
つまり、同じストレスを受けていると感じている人たちのなかでも、「ストレスは害だ」と考えている人はその後病気のリスクが高まり、そうでない人たちは病気のリスクが高くなることはなかったのです!
この研究結果から、ストレスに対する考え方を変えることが重要なのだとケリー氏はいいます。
ストレスの良い捉え方・悪い捉え方とは?
たとえば授業中、あなたがクラスのみんなの前で何か発表をするとします。
心臓は高鳴り、全身から冷や汗が出てくるのを感じますね。
ここで、ストレスの捉え方を2パターン見てみましょう。
②このストレスを受けて体が困難な状況に立ち向かう準備をしている
①の捉え方であれば、動悸や冷や汗が不安や緊張から来ているものだと思い、どんどん緊張は高まっていきます。
反対に②の捉え方をすれば、動悸も冷や汗もすべては体が緊張に立ち向かう準備をしているだけなのだとポジティブな考え方ができます。そして驚くことに、①と②のストレスによる体の反応は明確に違いが出るのです。
ストレス反応さえも変える「良いストレスの捉え方」
ストレスが引き起こす体の反応について、②このストレスを受けて体が困難な状況に立ち向かう準備をしていると捉えている人は、心臓がバクバクと高鳴っていても血管は収縮しておらず、健康に害はなかったのだそう。
この結果から、「ストレスの感じ方次第で体の反応が変わる」ということがわります。
ストレスをネガティブに捉えていた人は、緊張状態で血管が収縮し、心臓病などのリスクを高めたのだそうです。
勉強、部活、人間関係などあらゆる場面で、ストレスをなくすことはできません。
しかしストレスを良いものとして捉え、友達になることで健康な心と身体を維持することができるのです。
もっと詳しく知りたい人はこちら!
「内向的な人が秘めている力」 スーザン・ケイン
「陰キャ」「地味」「何を考えているかわからない」……なんてヒドいいわれようの内向的な人々。口数が少なかったり単独行動を好んだりと、学校や会社などどのコミュニティーでも必ず一人は内向的な人がいますよね。
学校や会社などでは隅に追いやられがちな彼らについて語られたスーザン・ケイン氏の「内向的な人が秘めている力」のスピーチをご紹介します。
社交的or物静か どちらが有利?
現在学校に通っているみなさんならおわかりかと思いますが、現代の社会においては「陰キャ」より「陽キャ」、地味な人より明るい人のほうが良いとされています。
物静かで本を読んでいる人より、スポーツ万能でクラスを引っ張るような人が先生のお気に入りだったりしますよね。
では、そんな物静かなタイプの人はもっと明るく、外向的になれるよう努力すべきなのでしょうか。
スーザン氏は、内向的な人の実力を発揮すべきシーンもあるといいます。
内向的な人が性格を押し殺し、無理に明るく振る舞うのは「損失」だというのです。
内向的な人は人口の3分の1!
けれど社会は外向的な人に優しい?
一見地味で、物静かな内向的人間は、実は人口の3分の1を占めています。
つまり学校で「陽キャ」と呼ばれるキラキラグループも、3人いれば1人は内向的なのです。
人口の3分の1を占める内向的人間。彼らは落ち着いた環境でこそ生き生きとして実力を発揮できます。
反対に外向的な人間は刺激的な環境を求めます。
内向的な人と外向的な人、どちらがより優れているという話ではありません。
大切なのは、それぞれが実力を発揮できる場所に身を置くことです。内向的な性格を無理に押し殺して刺激的な環境にいる必要はないのです。
しかし現状、社会のシステムや価値観は外向的な人向けにできています。
真面目にノートを取ったり課題をこなしている内向的な人より、多少サボっていても授業中に積極的に手を挙げて発言する外向的な人の評価が高いなんてちょっと不平等ですよね。
社会とうまくなじめない?
内向的な人はリーダーに不向き?
学校において単独行動や一人での作業を好むと、はみ出しものとして見られることも。
近年のアメリカではグループ活動が推奨され、個人でじっくり考える機会が減ってきています。
会社に入っても、リーダーなどの重要な役職に就く人は外向的な人が多いもの。
内向的な人は地道に物事を進めることができるというメリットがあるのにも関わらず、です。
また、内向的なリーダーのほうがより良い結果を出すというデータもあります。
外向的な人は自分が発言すること、まとめようとすることばかりでチーム行動がうまくいかないという例もあるのです。
つまり、社交的で明るい人はみんなをまとめるリーダー向き、物静かで地道な作業が得意なタイプはリーダー向きではないというのは事実ではありません。
あなたがもし内向的な人だったとしても、部活やグループのリーダーになれないわけではないんですよ!
内向的な人も外向的な人もOK!
バランスが大切
さまざまな問題を解決するには、外向的な人はその人に合った方法で、内向的な人はその人に合った方法でアイデアを出すことが大切だとスーザン氏はいいます。
スーザン氏はスピーチの最後に、3つの提案をしています。
②自分の思考に浸れる場所に行く
③自分が持っているものをさらけだす
グループでの作業はもちろん大切ですが、それだけではいけません。内向的な人がじっくり考えられるような孤独な時間も必要です。
そして自分の考えを見つめられるお気に入りの場所に行くことも大切なのだそう。
また、自分は外向的だから、内向的だからというのではなく、お互いに自分の持っているものをさらけだすことも必要です。
自分が内向的であることにコンプレックスを感じている人や、自分は外向的だけど内向的な人の気持ちがわからないという人は、ぜひスピーチ本編を見てみてください。
もっと詳しく知りたい人はこちら!
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