高校生になると体も心も大人に近づいていきます。未成年ゆえまだ未熟な面も残っていますが、小学生、中学生と比べると行動範囲や人間関係がグッと広がり、新しい知識をどんどん知る機会も増えるでしょう。
新しい知識には将来社会に出てより良く生きていくための有意義なものが多数ですが、中には喫煙、飲酒などといった法律に関係する嗜好品もあります。特に飲酒は、コンビニやスーパーで見かける機会も多く、タバコに比べ体への害が少なそうなことから「一口くらい大丈夫でしょ」と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。
そしてこっそりと飲酒をする、あるいは友人に飲酒を誘われることも増えてきます。中には親が子供に「正月くらい少しくらい大丈夫」と飲酒を勧める家庭もあるでしょう。
しかし、日本で飲酒は20歳以上と法律で定められており、20歳以下の未成年者である高校生はお酒を禁止されています。
ではなぜ未成年は飲酒をしてはいけないのか?そして飲酒に誘われたらどうすればいいのか? 今回の記事ではこの2つについてじっくり解説していきたいと思います。
どうして未成年の飲酒はダメなの?
なぜ未成年の飲酒が禁止されているのかというと、端的に言えば圧倒的にデメリットが多いからです。
もちろん飲酒には精神面でのリラックス効果や、一緒に飲酒することによる周囲の人との親和効果などメリットもあります。特に社会に出ると、飲酒がいろいろな意味で仕事の効率アップに繋がることが多いと言われています。いわゆる「大人の付き合い」というヤツですね。
しかし同時に、お酒には体と心に悪影響を及ぼす可能性もあります。悪影響は成人にも起こりえますが、未成年ではより可能性が高まるので、法律で禁止されているのです。
では、具体的に未成年の飲酒ではどんな悪影響が起こるのでしょうか?
脳へのダメージ
飲酒が脳に悪影響を与えるという研究結果は、数多く報告されています。
特に未成年は脳がまだできあがっていない状態。そこにアルコールが入ると脳の働きが悪くなってしまい、記憶力や判断力の低下に繋がる危険性をはらんでいます。
またアルコールは脳の神経細胞を破壊するリスクも。細胞が破壊されれば、脳が委縮してしまいます。
つまり、これから長い人生でたくさん頭を使う機会が待っている高校生にとって、脳へ強いダメージを与えるアルコールは飲むべきではない、といえるでしょう。
成長ホルモンへの影響
成長ホルモンへの影響も見逃せません。成長ホルモンは二次性徴途中の高校生にとって非常に重要なホルモン。しかしお酒を飲むと成長に必要なホルモンがダメージを受け、具体的に男子は勃起不全、女子は生理不順や月経不順になることがあるといわれています。
これらの知識は学校の保健体育の授業でも教わる機会があり、知っている人も多いのではないでしょうか。
依存症になりやすい
また、飲酒を続けると、アルコールが無いと生活できない一種の依存症(アルコール依存症)になってしまう場合があります。アルコール依存症になると、その影響が心と体の両方に表れ、勉強や仕事ができなくなるなど生活面にも大きな支障が出てきます。
またアルコールが無くなると、イライラや不眠、頭痛、吐き気、下痢、手の震え、発汗、頻脈、動悸などの症状が出て、危険な状況になることもあります。そしてそれを抑えるためにまたアルコールを飲んでしまう悪循環により、体がどんどんボロボロに。
依存症は20歳以上の成人でもなる可能性がありますが、心と体がまだできあがっていない未成年ではよりリスクが高まります。誰でもあり得るからこそ「自分は大丈夫」という油断が非常に危険なのです。
暴力事件などに繋がる可能性も
他には、暴力を引き起こす原因としても数多く報告されており、「アルハラ」と呼ばれることも。つまり、飲酒と暴力はいわゆるハラスメントの一つとして認知されている、ということです。
しばしアルコール中毒の家族が子供などを傷つける犯罪ニュースが出ていますが、「アルハラ」は家庭内だけでなく、社会や職場にも少しずつ広がっているそう。
このように暴力にも繋がりやすい飲酒は絶対にダメです。飲酒は自分だけでなく、周囲や保護者にも迷惑をかける可能性をもっています。また学校で他の生徒にも影響を及ぼすようになれば、反省文どころではない重い処分がくだることもあり、将来が絶たれるリスクも。
飲みたくてもグッと我慢し、20歳の誕生日まで手を出さないようにしましょう。
もし友達や彼氏・彼女に飲酒を誘われたらどうしよう?
高校生になると交友関係も広がり、例えば誕生日や学校の文化祭、運動会、部活での試合、テスト期間の終了などで打ち上げを行うことも多いかと思います。
クラスでの打ち上げには大抵担任の先生が一緒にいるものですが、中には同級生たちだけでお店に集まることもあるでしょう。もし大人の目が無いような空間でワイワイご飯を食べていて雰囲気が盛り上がれば、クラスの誰かにお酒を勧められる可能性も出てきます。
もちろん未成年の飲酒は禁止なので勧められたら断るべきなのですが、「もし断って雰囲気を悪くしちゃったらどうしよう……」という気持ちは誰しもが芽生えるはず。だからといって断れずに飲むのはいけないことなので、どうにかして穏便に飲酒の誘いを流したいですよね。
ここでは、穏便かつ、しっかりお酒の誘いを断れるポイントをご紹介していきたいと思います。
空気を悪くせず飲酒を断る魔法の言葉はズバリ「逃げる」言葉
ハッキリとは断りにくい、でも高校生で飲酒はしたくない。そんな時にぜひ使ってほしいのが、「逃げる」ための言葉です。
例えば「ごめん、ちょっとお腹痛いからトイレ行ってくる」と言って、トイレに逃げる。「お腹が痛い」など体調関係の理由を付ければ、戻った時に再び飲酒を誘われても「ちょっと体調悪いから無理かも」と当たり障りなく誘いを断れます。
他にも「ごめんちょっと親から電話かかってきた!」と逃げる術も有効です。電話の相手は親でも友達でも恋人でもバイトでも誰でもOK。ただお酒の誘いから逃げることを考えると、友達よりは親などの大人を理由にした方が暗にアピールしやすいでしょう。
特に「そろそろ帰りたいなー」と思っているなら、親からの連絡は帰る言い訳にも使えるのでぜひ参考にしてみてくださいね。
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